橋梁をはじめとする各種構造物の基礎、立坑、集水井、内空容器のPCウェル工法研究会

お知らせ

今般、自動化オープンケーソン工法に用いる水中掘削機の耐水圧性能を向上させ、適用範囲を従来の水深100mから120mまでに拡大いたしました。
これに伴い、電動油圧グラブによる掘削揚土歩掛りの100m~120mまでを追加いたしました。
従来の積算マニュアルの施工歩掛りの部分を以下に差し替えてご使用願います。なお、水中掘削機の掘削歩掛については変更ありません。

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自動化オープンケーソン工法(Super Open Caisson System)

掘削・揚土システム、沈下管理システム、プレキャスト躯体システムの3つのシステムから構成され、軟弱地盤から中硬岩までの種類の異なる幅広い地盤に適用できます。
これらのシステムは、 3つを組み合わせて用いるほか、現場条件に応じて各々のシステム単独あるいは2つを組み合わせても用いることができます。

自動化オープンケーソン工法(SOCS)の施工機械

水中掘削機には、幅広い地盤条件に対してケーソンのスムーズな沈設が行えるように刃先直下地盤を掘削する掘削パターンが組み込まれています。
掘削揚土クレーンには掘削揚土支援システムが搭載され、水中掘削機の作業状況をリアルタイムで監視しながら、ケーソン中央部の掘削と揚土を効率的に行うことができます。

特徴

本工法は、従来のオープンケーソン工法の施工上の問題点を先端技術を駆使して克服し、種々の地盤条件に対してケーソンの確実な沈設を可能とした工法です。IT技術により掘削状況および時々刻々変化するケーソン挙動をリアルタイムで把握するとともに、機械化施工による高精度な沈設、大幅な省力化を実現した周辺環境にやさしい新しいオープンケーソン工法です。
本工法の特長は、ケーソン刃先部への水中掘削機の導入により、従来では困難であったケーソン刃先直下の地盤掘削が確実に行えることです。 本掘削機は硬質地盤にも対応でき、耐水圧は1.2MPaで深度120mまでの施工が可能です。
躯体壁厚は3.5mまで対応でき、ケーソン平面形状は単円から小判、矩形まで幅広いニーズに応えることができます。

Q&A

Q円形以外の形状の立坑は施工可能ですか?
A水中掘削機の水平走行装置が 可動タイプとなっており、円形 の他、小判形、長円、矩形、 (水中掘削機の走行するコーナー 部は曲線)にも対応できます。
Q施工限界はどのくらいですか?
A施工機械としては、ケーソン刃口部地盤を掘削する水中掘削機と掘削土砂を地上に上げる揚土機があります。このうち、 水中掘削機の構造上からケーソン平面規模が内径φ5.6m以上あれば平面の大きさに制限はありません。揚土機は揚土用重機の作業半径から内径φ35m(外径約φ40m)程度になるかと考えています。
施工深度は自動水中掘削機の耐水圧性能が1.2MPaなので、水深で120m相当となります。
以上から,施工範囲は内径φ5.6m~35m、深度120mまでとなります。
Q標準的な施工ヤードはどのくらいですか?
A施工ヤード内におけるケーソンの位置、平面規模、掘削残土の処理方法など様々な要素が関係してくるので一概には言えませんが、外径φ15m程度までは1,000~2,000m²、外径φ25m程度までは3,000~5,000m²程度になると思われます。
実績では、外径φ13.5mで約1,800m²、外径φ19.0mで約4,500m²での施工例があります。
Qどのような地質、深度でコストメリットがあるのですか?
A本工法は、従来工法(圧入オープンケーソン工法)が困難であった地盤や深さに対して、補助工法なしで施工できることに着目して研究開発したので、コストメリットとしては、硬質地盤(砂質土、粘性土)・玉石混り砂礫層など従来工法では補助工法(例えば先行削孔等の地盤置換え工法)が必要な地盤に対して優位性があります。深度については一言で言うと深いほどコストメリットが出ます。 過去の試算例として、硬質砂地盤で立坑径が約20mの場合、掘削深度35mが施工費のターニングポイントとなっています。すなわち、それより深くなれば自動化オープンケーソン工法の方が工費・工期・確実性の点から従来工法に比べて有利になるケースが多くなります。立坑径が小さくなる(=掘削土量が少なくなる)と、施工費の分かれ目となる深度はより深くなっていきます。
Q水中掘削はどのような管理を行うのですか?
A水中掘削機のバケットの動きは予めプログラミングされていて、このデータを基にコンピュータが水中掘削機の作動を制御しています。作動中の姿勢(動作)は、ブーム、アーム、バケットのシリンダー内に組み込まれたストロークセンサーの伸びを検知し、各部材の角度を求め、幾何学的にバケットの爪の位置を算出することによって確認しています。地上の操作室には、水中掘削機の現在の作動状況がリアルタイム(0.2秒間隔)で表示されます。
自動水中掘削機の掘削パターンには平面パターンと断面パターンがあり、地盤の違い(硬さ、傾斜)、ケーソン本体の姿勢に対し、このパターンを任意に組み合わせることによって円滑な沈設が行えるようになっています。
Q歩掛などの資料はありますか?
A平成5年の実大規模の実証実験工事および平成8年からの実工事(計6現場)で施工性の確認・機能の検証を行い、施工歩掛を作成しています。この結果は、建設省(国土交通省)に報告しております。PCウェル工法研究会としても、積算マニュアル(平成14年度版)を作成しています。

自動化オープンケーソン施工写真

奥平野

霞導水

本山

東大和

寺畑前川

金町